俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋



 マッキーが龍二を前にしたときとは違う弱々しい声で言った。

 私の背中に腕を回しながら言うマッキーに私は不満を覚えた。

 確かに女になれとは言われたけど、好きとは言われてない。

 私のこと好きじゃないくせに?そう言おうとして、やめた。

 その言葉は、マッキーのことが好きだと気付いてしまった私にとってはあまりにもきつすぎたから。

「何で私のこと、カノジョにしたの?」

 聞きながらも、心の中では「好きじゃないくせに」と呟いてる。

 考えたくないことなのに、一番に考えてしまってる。

「決まってるだろ」

 マッキーが私の背中に回した腕に力を込めた。左耳に、マッキーの命のざわめきが絶えず聞こえてくる。

「俺がお前のこと、好きだからだよ」

 マッキーが私の耳元で囁いた。

 それは…

 私が一番ほしかった言葉だった。

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