俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋



 龍二の言葉に、フェンスの向こうの太い木の向こうから人影が現れた。

「いつから気付いてやがった?」

 マッキーだった。マッキーが低い声で龍二を睨みながら言った。

「フンッ、最初っから気付いてたけど?」

 挑発的な言い方で龍二が答える。

「博斗は何したって中途半端なんだよな」

 龍二の一言で私は、あれっ?と思った。

「…博斗?」

 博斗って、マッキーの本名。でも龍二、私の前では「真木先輩」って呼んでたよね?なんでいきなり呼び捨て?

「あぁ、隠してたけど俺ら、イトコ同士なんだ」

 私の胸の内を読んだかのように龍二が言った。

「ひょええええぇぇぇぇっ!?」

 考えるより先に、へんてこりんな声が上がった。

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