俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋
強い風に髪をなぶられて、空を見上げるとどんより重たい雲が空を覆い隠していた。
今にも、雨が降り出しそうで、かすかに雨の香りが漂ってきた。
「はぁーあ」
私はため息をついてコンクリートに寝そべった。薄い制服を通して、ひんやりとした感触が背中に伝わってくる。
私は灰色の空を見上げた。
「はぁー…」
もう一度、小さくため息をついたところで声をかけられた。
「なーにため息ついてんのさ」
頭上から私の気分とは対照的な明るい声が聞こえて、私は戸惑った。
だって、今授業中だよ!?なんで屋上に人いるの!?
「…龍二」
声かけてきたのは、龍二だった。龍二は、少し高くなっている時計台の上から顔だけ出して私を見下ろしていた。
「…また何かあったのか?お前、マジでハプニング女王だよな」
龍二が軽い口調で言う。
「ハプニング起こしてるのは私じゃなくてマッキーだよ」
私も軽く言った。