俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋



 龍二は…気付いたかな?「マッキー」って言ったときの、少しぎこちない私の態度に。

「…アイツはさぁ…世界で一番不器用なんだよな…」

 龍二がボソッと言った。

「え?」

 何のことかわからなくて、私は聞き返した。上の方で龍二が寝返りを打つのが見えた。

「どうせ、花梨のことで悩んでるんだろ」

 ギクッ。

 龍二の言ったことがズバリ当たっていて、体が思わず反応してしまった。

「な、なんで知ってるの?」

 龍二の方に顔を向けると、龍二は起き上がって空を見上げていた。

「授業中。寝てるオマエが寝言で言ってた」

 空を見上げたまま、呆れかえった口調で龍二は言う。

「…マジで…」

 龍二が小さく呟く。

 けど、私は龍二の言葉を聞いていなかった。

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