俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋
錆びついたドアが開く音が聞こえた。
ドアが開いて、一つのシルエットがドアの向こうから現れる。
「…―――嘘っ」
シルエットの正体を見て、私は驚愕した。
Y高校の屋上に足を踏み入れた人物は、私が会いたい会いたいと焦がれていた人物だったから。
目を逸らさなきゃ。
そう思っても、目は彼に引き寄せられたまま、動かない。
そのとき、彼も私を見た。
重なり合った視線。
すぐに逸らされると思ってた視線は、なかなか逸れずに私を見ている。
マッキーの、金髪に近い茶髪が風になびいた。
私たちは、暫く見つめ合っていた。