俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋
「な、なんで持ってるんですか!?」
『なんでって…キスしたときにポケットから抜いた』
そういえば、今朝はポケットに入れっぱなしだったっけ。
「ねぇねぇお姉ちゃん、迷惑電話だった?」
逞が私のスカートを引っ張って聞いてきた。
「違うから」
受話器のマイクの方を手で押さえてから、逞に小声で言い、私はまた受話器を耳に当てた。
『携帯。返してほしい?』
「もちろん!あれがなきゃ困るもん!」
私が言うと、受話器の向こうで相手は笑った。
『そう来なくっちゃ。じゃあさ、明日の昼休み、Y高校の屋上に来い』
私は驚いて、
「え!?」
素っ頓狂な声を上げてしまった。