俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋
私が名乗ると、ナツは「ふぅーん」と言った後、目を見開いた。
「って、え!?大柳って、あの有名な株式会社か!?」
私は頷いた。
「そんなすげぇトコの娘なのか」
私はまた頷いた。
「ふーん…」
ベッドを出ようとしたナツが、右手首を押さえて呻いた。
「そこ、酷く出血してたのよ。応急処置だけはしておいたわ」
私が言うと、彼はため息をついた。
「やっぱり失敗だったのか…――」
「どうしたんですの?」
私が聞くと、ナツは俯いた。
「自殺を図ったんだ…」
「え?」