俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋



「まさか、これが本気じゃねぇだろ?」

 耳元で囁かれた。私は、言い返せずに、ヒーローさんから手を離した。

「…お前、名前は?」

「……」

「喋れないのか?」

 私は首を横に振った。

「じゃあ、名前くらい、言えるよな?」

「美K…んっ!?」

 名前を言い終えるか否かのタイミングで、唇が塞がれた。

 目を開けると、ヒーローさんの顔が目の前にある。

 私たち、今…キスしてるんだ!

 ヒーローさんの睫毛は凄く長い。…てぇ…

 今はそんなこと言ってる場合じゃないよ!

 私、たった今、初キス奪われてるんだよ!?


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