俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋
「ここだ」
マッキーが立ち止まった。
耳を澄ませていると、中から声が聞こえた。
「お義母様、今日の服もよく似合ってますね」
「あら、あなたもよ、花梨」
甘ったるい声と、マッキーのお母さんの声が嘘の会話をしている。
「あら、ありがとうございます、お義母様」
甘ったるい声がロボットみたいに無感情の声で告げた。
「でもお義母様?博斗様はまだですか?」
甘ったるい声が聞く。
「もうじき来るわ」
「博斗様に会うの、とっても楽しみです」
隣でマッキーが吐く真似をした。
「…入るか」
マッキーは覚悟を決めたらしく一言言って、ドアをノックした。