俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋
「なーんてな。嘘嘘!あれは花梨に納得してもらうための嘘だよ」
そんなことわかってたのに。なんだろう、この言い知れない寂しさは…。
女の子に人気者のマッキーが私なんかを好きになる筈なんかない、ってわかってたのに。
「…もう学校は終わる時間だな…」マッキーが腕時計を見ながら。「家まで送ってくよ」
私は小さく頷いた。
「…元気出せよ。なんでそんなに落ちこんでるのか知らねェけど」
マッキーはそう言って、私の腕を掴んで歩き出す。
「さっきまでの元気はどうしたんだ?」
「…さっきの、婚約の話、なしになったのかな?」
私が聞くと、マッキーは「さぁな」と言った。
「まぁ、母さんはオマエのこと気に入ったみたいだしな」
マッキーはそう言って、玄関のドアを開けた。