俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋


「ぜひ来てください」

 何回も練習した発声訓練は役に立たず、私はボソボソと小声でチラシを配った。

 そういえば、Y高校の人たちもここに来てるんだよね?

 じゃあ、マッキーもいるのかな?…この格好で、マッキーだけには会いたくないなぁ…。

              ☆

 時間って経つの遅ッ!

 もう三時間経ってると思ったけどまだ十分だよ!

 なんて考えながら私はチラシを配った。

「君かわいいね。今度遊ばない?」

 Y高校の男子がチラシを受け取りながら言った。

「へ?」

 聞き返した時には、その人はもういなかった。

 そのとき、放送のときに鳴る『ピンポンパンポーン』って音が廊下に響いた。

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