ニット帽を被った天使達 『意気込み』
アイツは不思議な瞳をしていた。 アイツの瞳は綺麗な色をしていた。自分とあまり変わらない瞳の色をしていたのに、空に輝く月のように、俺だけを淡いブラウンが見ていた。 アイツは優しかった。初めて友達だけで行った遊園地で、俺だけお化け屋敷に入らず、ただジッと皆をまっていた。だか、アイツだけ「アタシも怖いのは嫌い」っていって、俺の隣に立っていてくれた。本当はアイツ怖くなかったくせに。ただ隣で立っていてくれた。 アイツは感動モノの映画が好きだった。いつも映画を見に行くと、感動モノ映画しか見なかった。でも俺はアイツの泣いたところは見たことなかった。一度もなかった。 アイツの笑顔は最高だった。アイツが笑うと、俺まで笑顔になった。可愛かった。 アイツは俺の根性無しが、嫌いだった。反面、好きって、カワイイっていってくれた。 アイツは……アイツは俺にとって心の支えだった。 アイツはOKしてくれた。人生で初めて告白した俺。アイツは笑顔で笑って「多分いいよ」ってOKしてくれた。少し心に響いた。多分の一言が……。 アイツはイジメラレテいた。理由はわからない。