らぶピクチャー(完)
「・・・なんやねん。人がせっかくお礼と謝罪しようと思ってたのに。・・・考えただけ無駄やった。」
ガタンッと少しだけ力を入れて、机の上に教科書を置いた。
そして、時は流れてお昼休み。
「笑美、言いに行く?」
「欄、朝の聞いてへんかったん!?」
「何を?」
「何を、て。れーくんが朝、帰り際にうちに向かって、お礼言わんくてええって、言うてたやろ?」
「あ、多分そのとき冬真くんに見とれてた。」
「・・・はぁ!?」
「あはは」と言いながら照れてる欄は、その後慌てて「でも、もちろん拓也の方が好きだよ!?」と顔を寄せてきた。
「で、結局さきに釘刺されたって話?」
「そうや。そういうことや。」
「そっか。なら、いいんじゃない?またそのうち思い出したくらいに言えば。」