らぶピクチャー(完)
暗闇の中でもわかる、れーくんの目の輝き。
幼い男の子が、何かを見つけたときみたいな。
「写真て、なんの?」
「決まってるだろ、これ。」
空を指差して、また無邪気に笑う。
すでにさっきまでの苦しい笑顔は、きれいになくってた。
それは、ホンマにれーくんが写真好きであることを語ってるらしかった。
「せやけど、カメラないやん。まさか、今持ってるん!?」
「ばかか。鞄一つ持ってない俺が、どこにカメラを隠し持ってんだよ。」
「・・・せやな。ほな、どないするん?」
カメラもないのに、写真撮ろうて言うた人、多分初めてやと思う。
どうせ、適当に言うたんやと思ってた。
でも、れーくんはまじめに言うてたらしい。
しかも、カメラの件も、しっかり考えてた。