空に託す想い~叶多*空夏~
「ふざけるなよ!
あいつだって………
風花だって高校を辞めたくないって思ってるだぞ!?
それなのにお前のせいで…」
悔しそうに唇を噛む海斗
「わかってるよ。
だから、私は風花が辞めないように毎日説得しに行ってる。
私のせい、私のせい、って言ってるけど海斗は何か行動してるの?
海斗は風花の彼氏だよね?
私なら、一番最初に彼氏に来てほしい。
なのに海斗はここで、私のこといじめて、私の秘密ばらして、そんな事してる暇があるなら、今すぐ風花のとこ行って来なよ!」
こんな風に海斗に説教みたいなこと、するつもりはなかった。
海斗が風花のこと大事に思ってることはわかってるし、どうしたらいいのか海斗にも分からないだけなんだと思う。
思うけど……
「てめえは、何なんだよ!
海斗が一番冨岡が高校辞めるの止めたいに決まってるに決まってるだろ!?
なのに、冨岡が辞める原因を作ったお前が、なんで海斗に説教してるんだよ!」
海斗と一緒にいる、加勢隼人が私に怒鳴ってくる。
でも、今はそんなの無視。
これは私と風花、それに海斗の問題だから…
「私は高校辞めないし、風花も辞めさせない」
海斗の目を見てそれだけ言い、自分の席に座った。
加勢がもう一度私に怒鳴ろうとしたけど、ちょうど先生が入って来たことで皆席に着いた。