空に託す想い~叶多*空夏~



「僕はね、空夏に復習しに来たんだ。

僕から妹と、音を奪って行ったあいつに」




初めて目の前の奴が感情を出した。


その感情は喜怒哀楽でいえば「努」に近いけど、「不」の方があってる。

そんな感情………





「お前は空夏に何をしたんだ?」




「僕はまだ何もしてない。

ただ空夏にメールしただけ」





メール?


そういえばさっき海斗がケータイを見て慌てて屋上から出ていった。



あいつは知っているのか?


こいつの事今から何が起きるのかを……




「なんて…

なんて送ったんだよ」





「なんてってそんなの決まってる。

全てさ、空夏が俺に何をしたのか、何を奪って行ったのか、その全てを教えてやったんだよ。」





全て………



さっき空夏が倒れたのは、その事実が余りにもショックだったからって事か?





「お前の目的はなんだ?」




「さっきも言っただろ?

復習だよ。空夏に全てを思い出して貰ってから、ゆっくり罪を償って貰うんだよ」





全てを思い出す……


俺の前から居なくなった後、空夏が変わってしまったのはこいつが原因なのか?



分からない事だらけだ……






とりあえず、俺は空夏の所に行った方がいいんじゃないか?



倒れるほどのショックを与えられた空夏をこのまま一人にさせて置くわけにはいけない……












< 107 / 113 >

この作品をシェア

pagetop