空に託す想い~叶多*空夏~



えっ?



「お姉ちゃんがどうかしたんですか?」



もう一度同じ言葉を繰り返す。




「叶多さんでしたよね?

お姉ちゃんの彼氏の……

そちらは、流星の方々ですよね?」





空夏をお姉ちゃんって呼ぶのは、一人しか居ない…




「どうして、流星の人にお姉ちゃんを探すように頼んでるんですか?」




………最悪だ。




どうする?


今すぐこの場から逃げるか?




だけど、そんなことしたら、優達が流星を動かしてくれないかも知れない。



でも、今ここで説明してる間に 空夏が傷つけられてるかもしれない……




どうすればいいんだ?





「教えてください。

お姉ちゃんはどこにいるんですか?

一時間目が始まる少し前にお姉ちゃんからメールが来てるんです。

《ごめんね?一人にしないって約束守れないや》

って、どうゆう事なんですか?

お姉ちゃんの教室に行っても、お姉ちゃんは早退したって言って居なかったし、うちに電話しても誰も出ないんです」




泣き声に変わっていく声……




「空夏は……

俺に別れてって言って、姿を消した」




屋上にいたあいつの事は言えない…



「お姉ちゃんが叶多さんに別れてって言った?

嘘ですよね?

お姉ちゃん、叶多さんのこと凄く好きだったんですよ。

家でいつも叶多さんのこと話してたんですよ?

それなのに、別れるなんて…」





空夏が俺の事好きだった……



良かった。



ちゃんと俺は空夏の彼氏になれてたんだ。




「とにかく、優流星を動かして空夏を探してくれ。そしたら、この前言ってた流星に戻ってこいってやつ、今でもそう思ってるなら、流星に戻る。だから、空夏の事頼んでも良いか?」




「わかりました」




「ありがとな!」




それだけいい俺は急いで学校を後にした。














< 109 / 113 >

この作品をシェア

pagetop