空に託す想い~叶多*空夏~
えっ?
「お姉ちゃんがどうかしたんですか?」
もう一度同じ言葉を繰り返す。
「叶多さんでしたよね?
お姉ちゃんの彼氏の……
そちらは、流星の方々ですよね?」
空夏をお姉ちゃんって呼ぶのは、一人しか居ない…
「どうして、流星の人にお姉ちゃんを探すように頼んでるんですか?」
………最悪だ。
どうする?
今すぐこの場から逃げるか?
だけど、そんなことしたら、優達が流星を動かしてくれないかも知れない。
でも、今ここで説明してる間に 空夏が傷つけられてるかもしれない……
どうすればいいんだ?
「教えてください。
お姉ちゃんはどこにいるんですか?
一時間目が始まる少し前にお姉ちゃんからメールが来てるんです。
《ごめんね?一人にしないって約束守れないや》
って、どうゆう事なんですか?
お姉ちゃんの教室に行っても、お姉ちゃんは早退したって言って居なかったし、うちに電話しても誰も出ないんです」
泣き声に変わっていく声……
「空夏は……
俺に別れてって言って、姿を消した」
屋上にいたあいつの事は言えない…
「お姉ちゃんが叶多さんに別れてって言った?
嘘ですよね?
お姉ちゃん、叶多さんのこと凄く好きだったんですよ。
家でいつも叶多さんのこと話してたんですよ?
それなのに、別れるなんて…」
空夏が俺の事好きだった……
良かった。
ちゃんと俺は空夏の彼氏になれてたんだ。
「とにかく、優流星を動かして空夏を探してくれ。そしたら、この前言ってた流星に戻ってこいってやつ、今でもそう思ってるなら、流星に戻る。だから、空夏の事頼んでも良いか?」
「わかりました」
「ありがとな!」
それだけいい俺は急いで学校を後にした。