空に託す想い~叶多*空夏~



答えに迷った。




彩乃は空夏が記憶ないこと知ってるんだよな?




お祖母ちゃんの家に昔住んでた事知ってるんだよな?





なんで、こんな風に思ったか分からなかった。





でも、幼い空夏が言っていた言葉の中に少し引っ掛かる言葉があったから。





「お空はね、繋がってるんだって。

だから、離れてても寂しく無いんだよ。

この空の何処かにママとパパがいるから」




何度かこうゆう言葉を聞いたけど、一度も妹とは出てこなかった。



もしかして、彩乃と空夏は義理の双子?



幼い頃はまだ彩乃は基山家に居なかった?




彩乃のほんとの双子は陸ってやつなのか?




それなら、陸が言ってた事の意味が分かる。






『叶多さん!

なんで、なんですか?』




ダメだ。

俺にそんなこと言う権利はないのかも知れない。

けど、彩乃は連れて行かない方がいいと思った。





『ちょっと変わって!!!!!


えっ、ちょ、風花さん!?


叶多、空夏の事連れて帰って来なかったら、あんたの事しばくからね!

それと、空夏に会ったら伝えて、私は高校辞めないし、今でも空夏の事親友って思ってるからって』





「わかりました」




「よろしく!

で、海斗。あんたは何も言わなくていいの?


俺は、自分で言う。

空夏が俺の前に来たときに自分で…


そっ!

なら、いいけど。


ってことで叶多、空夏の事よろしくね?

彩乃と私、海斗は空夏の家で待ってるから」





電話の相手がコロコロ変わるっと言うより、電話の向こうで勝手に話して、勝手に解決した感じ?



まぁ、いいけど






「わかった。

必ず空夏の事連れて帰って来る」





それだけ言うと俺は一方的に電話を切った。





空夏、お前は何してるんだよ。



こんなにも、お前の事大切に思ってる奴らがいるのに、そいつらに心配かけて……



しゃーねから今から、お前の事迎えに行ってやるよ。


だから、俺と一緒に生きてくれねーか?




















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