空に託す想い~叶多*空夏~
ッ!!
殴られたことに気づくのにしばらくかかった。
鈍い痛みが体中に駆け巡り、骨が軋む感覚に襲われる。
叶多の声と、殴りながら叫んでいた声でとっさに避けたから頭に当たるのは免れたみたい。
けど、鉄パイプを完全に避けるのは無理だったみたいで左肩を殴られた…
殴って来た奴を逆に殴り失神させたはいいけど、さすがにもう限界…
そんなとき
「てめぇら、もうやめろ!」
一つの怒鳴り声が響いた………
怒鳴ったのは叶多だった。
「なんで叶多が…」
そこで意識を手放した。
手放す時に最後に見たのは叶多の悲しそうな顔と、苦痛に歪む顔が混ざったような顔だった。