空に託す想い~叶多*空夏~
しばらくして…
窓の外を見るとうっすら暗くなっていた。
「私達はそろそろ帰るね」
風花と海斗の二人っきりにしてあげようと思った私はそれだけ言うと帰る用意をする。
彩乃も同じように帰る用意を始めた。
「海斗!!
ねぇ、海斗!!」
急に発せられた風花の声に驚いて海斗を見る…
すると海斗の瞼がゆっくり開いた
「海斗!!
よかった」
風花が涙声になりながら言う。
「先生呼んできます」
海斗が目を覚ましたことで、とっさに次の行動を起こし病室を出ていく彩乃
私は泣いてる風花の頭を海斗が撫でているのを見ながら、海斗の敵をとることをより強く決意した…
彩乃が呼んで来た先生が海斗の体調を検査し
「もう大丈夫でしょう。
しばらく入院することになるけど、安静にしてたらすぐ良くなると思います」
それだけ言うと病室を出ていった。
「速く良くなるんだよ!!!
あんまり心配させないでよね」
呆れたように笑いながら言う私
「すみません。
ありがとうございます」
「しくじったねぇー、ドンマイ!」
少しおちょくるように言う彩乃
「うるさいなぁー!
流星のやつが凄すぎただけだよ!」
「私ならそれでも成功させる自信あるね!」
「無理無理。
俺でダメだったんだぜ?
彩乃がいけるはずないじゃん」
「私の方が潜入上手いもんね」
彩乃と海斗の会話を楽しそうに私と風花が見守る。
そろそろ帰るねって目で風花に伝えてから、
「この私が、可愛い彩乃を潜入させるとでも思う~!」
って言いながら彩乃に抱きつく。
「やーめーろー!!」
「「ハハハ」」
風花と海斗、彩乃それに私。
四人で笑いあった。
「じゃあ、帰るねー!」
それだけ言うと私と彩乃は風花を残し病室を出た。