空に託す想い~叶多*空夏~
そして午後九時…
「彩乃、行く前にココア作って!!」
私は彩乃に頼んだ。
「えー、たくぅ。
たまには自分で作ったらいいのに」
「彩乃が作ったココアがいいの!」
私はいつも何か大きなことをする前に彩乃が作ってくれるココアを飲む。
これが恒例になってる。
一種のジンクスってやつなんなよね。
彩乃もそれを知ってるから、しょうがないなぁーと、言いながらココアを作りに行ってくれた。
彩乃がココアを作りに行って、十分くらいたった…
彩乃がココアを作り終えてマグカップを2つ持って部屋に戻ってきた。
「はい!」
そう言って私に一つのマグカップを渡してくれた彩乃
それを受け取り彩乃が来てくれたココアを飲みながら九時半になるのを待った。
………そして、時計の針が九時半を示したのを見て、そろそろ行こうと思ったとき彩乃のケータイが鳴った。
電話の相手は海らしい
「ちょっと電話してくる」
そういって部屋を出ていく彩乃
私はその間に彩乃が飲んでるココアに睡眠薬を入れた…
しばらくして彩乃が電話を終え戻って来たから、私は
「そろそろ行こっか」
と言ってココアを飲みきる。
彩乃も
「わかりました」
と言ってココアを飲みきった。
睡眠薬入りの…
立ち上がり出掛ける用意を始めた私を見た彩乃も用意をするために立ち上がる。
しかし、薬が回ったのかその場に倒れた。
「空夏…、何したの?…」
睡魔と戦ってるのか目がトロンとしる彩乃
「ごめんね。
彩乃をこれ以上巻き込めない」
睡魔に負けて静かに瞼を閉じた……
そんな彩乃をベットに寝かし私は家を出た。
中央公園に向かうために…