空に託す想い~叶多*空夏~
5.怒り・・・
*空夏*
「彩乃ー!」
何が起きたか分からなかった。
だけど、ゆっくり倒れて行く彩乃を見たとき、頭の中で何かが切れた…
「彩乃しっかりして、ねぇ、彩乃!!!」
「大丈夫だよ…」
「彩乃!?」
「お姉ちゃん笑って!
私は、お姉ちゃんを一人にはしないよ」
意識を失った彩乃を、叶多に預け私は抑えられてる遥香の所へ向かった。
遥香を掴み殴りかかりたい衝動を抑え、遥香にだけ聞こえるようにボソッっと言う
「彩乃を傷つけたこと、一生後悔しろ。
私たち、海風がお前の家を潰す。
今からでも家の金持って逃げる方が得策だと思うよ。
海風って知らない訳じゃないよね?」
黒い笑顔を浮かべる私
「許してください…
お願いします。助けてください」
泣きながら、地面に頭を擦りつける遥香
「私言ったよね?
私の大事な人を傷つけたら、お前らを消すって。
都合のいいこといってんじゃねぇよ」
「なら、ここで死ね! 基山空夏!!! 」
ガッ!
「お前のしそうなことぐらい想像がつく」
手でナイフを止め、遥香を軽蔑の目で見てから、静香もにらみつけ私は教室を出た。