空に託す想い~叶多*空夏~
*風花*
空夏が帰っていくのを窓から見下ろす
ほんとは、高校も空風もやめたくない
でも、空夏の親友じゃなくなったことで何かをする気力が失われた。
起きる、食べる、寝るの繰り返し…
どれだけ空夏が私にとっては大事存在だったかが今さら分かった
初めはただ利用するために仲良くなった
でも、空夏のことを知れば知るほど、空夏という人がどれだけいい人なのか、どれだけ優しい人なのかが分かった。
気づいたら、空夏は私の大切な親友になっていた
私は過去に友達、両親、そして、当時付き合っていた彼氏からも裏切られた……
ショックで、ショックでそれ以来人を信じられなくなっていたんだ。
でも、空夏は信じられた。
否、信じる、信じないとかいう前に、何の違和感もなく自然に基山空夏という人を信じたんだ。
それに気づいてからは、毎日が今まで以上に楽しくなった。
でも…………
私は空夏に裏切られた…
否、私が空夏を裏切ってしまった。
「偽善者、いいこぶってる」
そんなこと思ってた訳じゃなかった。
ただ、あの時はああしなければ、空夏と彩乃だけじゃなくて、他にも傷つく人が出てた…
全てのことを裏で仕切っていたやつがいる…
この事実を早いうちに空夏に伝えて置けば良かった。
そうすれば、このあと起きることを止めることが出来たのに。
私は今も、後悔してます。
後悔だけはしないように生きて行くはずだったのに私はこれから起きることを、後から後悔する…