私とあなた
「あっ母さんから電話きてる…出ていい?」私はおそるおそる聞く。

「いいよ~」そういってあなたはまた私から離れてく。


ここにいてよ…。


出ると、「あんた今どこ?」と、少し怒った声。あっ!!誰にも言ってないんだった…。

時間を見ると、もう10時半だった。楽しい時はすぐすぎるっていうけど、本当なんだ…。


「総体!!!!」はりきって言った私に、「誰と?」と聞く母さん。
答えにくい。「あ~それはね~。まぁ…ね!!」その答え方で、何かを悟ったかのように、「しょうがないね~。11時には帰んなよ!!」


そう言って母さんは許してくれた。11時…かあ。あと30分。


あと30分で私の恋は終わるんだ。考えてみれば、どうして私達は出会ったんだっけ?あぁ…。私のメールだよね…。


私がメールしなかったらきっと、私とあなたは出会ってなくて、会うなんて事なかったよね。同じクラスなのに、お互いの事全然知らなかった…。
やっぱりこれは運命だよ。勘違いでもいい。でも、私には全てが運命だから。神様がくれた小さな贈り物。
ありがとう。


再び話しに戻って、「あ~、俺35分に帰ろ!!」と言い出すあなたに、さみしくなった。それでも、「じゃああと5分で決着つけんぞ~!!」私は笑顔で言うからね。


「ちゃんと告って~!!直?!か電話!!」

「いや~俺恥ずかしがりやだから、無理!!という事で!!」そんな事を言っているうちに、「あっ37分!!じゃあ40分に帰る!!」と言い出した。良かった…。


少しでも、今は少しでもあなたと一緒にいたい。あなたを見ていたい。あなたの事を想っていたい。


途中、また話がずれた。「俺、学校にいる時とサッカーん時、自分変えてるし。」


「疲れない?」

「疲れる!!」

「やめれよ~」そういって私は笑う。
じゃあ…今は?
どのあなたなの?
本当のあなた?
嘘のあなた?
私はどのあなたを好きになったのかな?でも、私は全部を受け入れる自信があるよ。


だから、あなたの本当を見せられる相手になれなくても、いつか…少しでも本音を言える友達として、そばにいさせてね?


それが私の今の一番の願いだから。
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