私とあなた
ー時計を見ると、10時46分。


「うわ~こーなったら50分に帰る!!」あなたは言った。

「じゃあそろそろ決着着けようか?」私も言う。

「延長戦はヤバイな~負ける!!」そう言って頭を抱えるあなたが愛しい。その笑顔が好き。好き。好き。大好き。もっと見ていたかった。もっと…話して、そばにいたかった。いてほしかった。


でも私はあなたの好きな人になれないから。あなたの目には映らないから。ごめんね。ちゃんと好きな人に気持ち、伝えてね。


「あっ50分!!はぃ帰ろ~」あなたは軽く言うけれど、私にはとても辛い事なんだよ?帰りたくない。心がそうさけんでる。


私はある事を思い出して、ポケットからグミを出した。ペタメモのついた。

「はい!!」

「これなにー?」

「いやっあげる!!」

「マジ??サンキュー」

ペタメモのついてない方向に向けてグミを渡した。そして2人で並んで歩きだした…。


あなたがとなりにいる。となり。すぐとなりだよ。こんなに近いのにもうすぐあなたは遠ざかっていく。


「今ちょーファンキーモンキーベイビーズにはまったよ~やべ~は」あなたは突然そんな事を言った。私は、「ん~あれは、゛もう君がいないがいいなあ~。」

だってね、この曲は、あなた専用のメールの着信音なんだよ。


あなたからメールがくる度、゛いっその事忘れたい。こんなにも切ないなら゛って流れるんだよ。


その言葉のとおりなの。いっその事、あなたの事を忘れたい。こんなにも切ないんだよ?こんな恋、もう一生できないよ きっと。楽しかった。嬉しかった。

毎日メールしてたから、1日でも来ないとすごく不安だった。
メールする時間が楽しみになってた。


これって恋なんだよね?

でも、だめだ。好きじゃない。好きじゃない。好きじゃない。好きじゃない。でも…好きだよ。


出会ってから、あまり時間はたってない。けど、恋に時間なんて関係ないでしょ?

私はあなたが好きだったから…。
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