私とあなた
「早く来てね!!今日は30分に帰るから」そうメールがきたのは10時21分。


「まじ!!!!OK!!!!」私は急いで準備した。


会える。会える。会える。気持があせった。30分までに行かなきゃ。


夜10時21分。息を切らして走った私。強い風がふく。まだ寒い時期だけど、あなたに会いたいと思ったらそんな思いふっとんじゃったよ。


いつもあなたがいる所に行ったけど、あなたはいない。


え…。いないじゃん。走ったんだよ?あなたを想って、精一杯。


その時、ガサッと前で音がした。私はびっくりして一歩下がってそこをよく見た。

そこには、真っ黒な服を着て、地面に座って私を待ってるあなた。
いた…。いてくれた。待っててくれてた。私を…待っててくれた。

私は、「そこかよ~」と言ってあなたのとなりに向かって歩く。
「ここだよ~」と、笑顔で答えるあなた…。笑ってる…。

今、あなたが私に笑いかけてくれてる…。ただそれだけで、私は嬉しかった。私までにやけちゃう。でも、こんな時に笑っちゃダメなのかな?だったらごめんね。無理だよ。だって今あなたはそこにいる。

それがどんなに奇跡な事で、幸せなことかわかる?夢じゃない。夢じゃない。


会いたかったよ。あいたかったよ。会いたかったよ。もう一度。


あなたは何事もなかったかのように私に話しかける。

あ…。カバン…。今日も練習だったんだ。疲れてるでしょ?私と話してて平気なの?


それでもただ、私もあなたに笑いかけるしかなかった。

サッカーの話し。
学校の話し。
私の知らない事も、みんな話してくれて、あなたを知って。
私に話してくれる事が嬉しくて。


でも、あなたにとってはトモダチに話しかけてる気分なんだろうな。それでも、今一緒にいて、話しているという事実が、私の心を踊らせる。


こんな私と一緒に話してくれてありがとう。それでも、私はこの人を傷つけた事実は変わらなくて。


それと同時に、私はもう一人傷つけた人がいた事にきずかなかった。
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