私とあなた
「あっやべー…50分に帰るし!!」そう言ったあなた。私も携帯を見ると、もう10時46分だった。

あなたも、楽しくて時間が流れるのが早い。とか思ってくれた?私はいつも思ってるよ…。

あと…もう少しなんだね。私だけかな?いつも私はあなたの背中を見てるけど、いつもキラキラしてるんだよ?私の中で一番輝いてる。でもね、たまには前から見てみたいな。


ねえ、もう少しであなたに届くんだよ?

「こっち向いて?」って言えるんだよ?

「待って!!」なんて言いたくないよ…。
待って…。待ってよ…。


「さて、帰るべー」そう言ったのは57分。また2人並んで歩きだす。この時間は幸せ。いつもはせまくて嫌いな道。あなたと歩くだけで、嫌いが好きになる。それが幸せです。

「「じゃっ」」またそろう声。幸せ。でも悲しい。あなたは私に背を向けて歩きだす。離れてく。好きの気持ちがあふれてく。


゛好き!!゛思わず叫びそうになった。
ダメ。ダメだよ。ダメなんだ。あなたはきっと、またあやふやな答えを出すでしょう?

そしてまた、私はあなたを傷つけるでしょう。だから、どんどん先へ歩いていって下さい。私は笑顔であなたを見送るから。
私は追い掛けないから。じゃないと、好きの2言を言ってしまうから。傷つけたくないの。
ただそれだけなの…。

私は「好き」とつぶやきながら、あなたが歩いて行ってしまった後の寒い風にふかれ、一粒の涙を流して、一歩一歩確実に、真っ暗な一本の道を歩きだした。ふきとる気になれない涙。今日はこのまま流しておこう。


2月23日。夜7時頃。私は親友とマックでテスト勉強をしていた。マックに来る前、待ち合わせ場所に来ない親友に電話をかけた。

「はい」歩きながら話してるのか、何かがかすれた音がする。親友の声を聞いた瞬間、急に謝りたくなった。


私は親友にも迷惑をかけてた事に気付いた。ごめんね…。


「ごめんね。」私はそう言った。ごめんね…。ただそういうしかなかった。
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