私とあなた
来る…。
来る。来る。来る…よね?…来ない?
あなたはそのうち、後ろのドアをガラッて開けて、「間に合った~」って言うでしょ?全然間に合ってもないのにさ。


ねえ…。待ってるよ?あなたのせいで授業なんてちっとも身につかない。早く来てよ。それとも諦めろって事?

…今日、あなたがもし来ないなら、もう…。

神様は意地悪だ。私にどうしろっていうの?どうしてほしいの?


すでに3時間目の授業が終わる頃だった。


来ない…よね。もお来ないでしょ。

神様…私はね、寸前まで信じてたよ?でも、神様は私に、ここで身をひけって………言いたいんだね。


鐘が鳴る5分前。
もうすぐ…だね。あと5分、あなたを想ってもいいですか?


……………ガラッ……………え?


今のって…ドアの開く音?? 私はゆっくり後ろを振り返った。
椅子に座ってたからそんなに思いきり振り向けなかったけど、一瞬見ただけで分かる。
あなたの姿…。来た。

ねえ…何で来たの?何で来てくれたの?どうして笑ってるの?

ありがとう。

涙が出てきた。久しぶりの涙だけど、気持ちのいい涙だね。
私の席は一番端だから、この涙は誰にも見られずにすんだ。見せない。私だけが知る、幸せの涙だもん。


家に帰って、急いで携帯を手にとった。そして、あなたにメールを打つ。


「大好きだあ!!この想いはずっと変わらないから。それだけは忘れないでほしいな。そして、一番にあなたの幸せを祈っています。」

すぐに送信ボタンを押す。そして、送信中の画面になった時、すぐに中止ボタンを押す。
そうすると、未送信履歴に残る。一生携帯に残る。


ホントにあなたには送れないけどせめて、この中には残さしてね。あなたと初めてメールした日から、ずーっと使ってきた携帯だから。このメールも大切にしたいの。
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