私とあなた
決断
あなたが私の中にどんどん入ってくる。私がそれを拒まなかったから、あなたはまたどんどん入ってくる。入りすぎて私の胸はどんどん苦しくなってくる。苦しい。もう嫌なの。
もう入ってこないで。もういいの。もういらないの。もう…


あなたの思い出も、嘘の笑顔も、言葉もいらないの。全部捨てる。元通りになる。リセットする。…とか…さ。

言えたらいいのに。でもきっと、このままあなたに恋をしつづけても、きっと叶わないって…分かってる。
片想いの恋って、続かない。…ってよく言うからね。


………あなたは、この学校を卒業したら…遠くに行っちゃうんだもんね。


…前にメールをした時、「俺は寮に行くからね~」って言ってた。
あ…。遠くに行っちゃうんだ。離れてっちゃうんだ。最初から叶わない恋だったんだ…。

今更涙が出てきた。「はっ…今更…なんだよ…」手で顔をおおいながら声をあまり出すことなく静かに泣いた。

どうせ叶わないなら、早く終わりにしてしまいたい。それでも、まだあなたは私の中にいて、忘れさせてくれない。あなたが学校にいて、クラスにいて、すぐそこにいる…。


あぁ…。もうダメだ。私の中は、あなたで溢れてて…もう、後には引き返せなくなってる…。何度止めても、何度忘れようとしても、そこにはあなたがいて。


゛まだ好きなんでしょ?゛ってどこからか聞こえてくる。そんな事聞かないでよ。そんな事言わないで…。
゛好き゛なんて言葉出さないで。今までしまっていた気持ちがいっきに溢れちゃうよ…。

もう…しまっておこうって決めたの。だから、やめて…。どうして目をつぶるとそこにはあなたがいて、目を開けてもあなたがいるの?どうしてあの時2度も奇跡が起きたの?


どうして…どうしてよ…。もう…止めて。私の中に入ってこないで。もう終わりにしたいの。なんでこんなに涙が出るの?なんで、拭いても拭いても止まらないの…?
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