私とあなた
HYの「NAO」が流れた時、ゆっくりと携帯を開く。ゆっくり、ゆっくりメール打つ。
件名に、゛大事な話し゛と打って…。



「今から真剣な話しするね。今日ね、友達に色々言われて、言わなきゃいけない事があるの…。まずゎ、ごめんなさい。うちね、諦めたって言ってたけど、本当はまだ…ずっと好きだったんだ。それでもあなたが親友の事が好きって知った時、もう無理だ…だったら応援しよう…って決めたのね。でも、本当は…ただ自分を諦めさせるための口実を作りたかっただけ。本当は応援なんてできなかった。ごめんね。うちの勝手な思いで振り回しちゃって」


一瞬、メールを打つ手が止まる。

嫌だ。嫌だ。何を私は言ってるの?もう嫌だ。それでも手はメールを打ち続ける。


「それで、ケジメをつけようと思うの。これ以上うちがあなたを好きでも、あなたが迷惑なだけだったら、もう…メールもしないし、もちろん会わない。アドレスも………初めてしたメールも消す。その時はあなたもうちのアドレス消してね。とにかく、うちは…たくさんあなたに迷惑をかけてました。ごめんなさい。」


打ち終わったあと、何度も読み返す。そして、送信ボタンを押す…。

………゛送信完了゛その文字を見た後、私は眠りについた…。目が覚めたら、世界が変わっていますように…。そんな、情けない願い事をしながら…。


…目が覚めると、メールが入ってる事に気がついた。さっきのメール…送っちゃったんだよね…。


ゆっくりと携帯を開く。「今メール見た!!電話して!!」………。


電話…しなきゃ…。


私は急いで電話をかけた。………。出ない。しばらく携帯を置いておいたら、携帯がなった。


「もしもし?」私が声をかけると、「誰?」と言う。すかさず名前を言うと、「今から練習だから、9時か10時に電話する」


携帯を閉じる。あと少し、また寝よう…。少しでも、世界が変わるように…。
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