私とあなた
最後
携帯の音で目が覚めた。この着信音は……違う。仕方なくメールを見る。時計を見ると、8時40分。


まだ…だよね。


しばらくその人とメールをしてると、9時15分。携帯から電話用の着信音が鳴った。


………………………。私はしばらくほっといて、ようやく携帯を開き、通話ボタンを押した。「もしもし」私は静かに言った。

「もしもし?」あなたの声がする。


「おつかれ!!」

「うん。…えっと、何の事だっけ?」

「メール…?」

「あっそうそう…なんか、なんて言ったらいいか…分かんない。」

そうだよね…。いきなりあんな、変なメール送っちゃって…。


「うちは、このまま好きでもしょうがない…から、アドレスもメールも消した方がいいと思うんだ…。」

部屋はいつもの倍静かだ。よく声が通る。寝起きなのに、目がさえてる。


「俺は…アドレスを消さなくてもいいと思うけど、それでお前が諦められないなら、俺はそれでいいと思う。」

「うん」優しい声。聞いてるだけで落ち着く。私の事ちゃんと考えてくれてるんだ…。本当に…この人は優しいなあ…。


「とりあえず1日…考えよっか…分かんないもんね。」私がそう言うと、「うん」と言って、電話を切った。 ………1日か…。考えなきゃ…。あの2人にも1日考えてって言われたもんね…。


2人には凄く迷惑かけたね。私の事で凄く真剣に考えてくれて、悩んでくれて…。2人とも…本当に友達思いだなあ…。


でももう2人に迷惑かけたくないよ。ごめんね。私、一人で頑張るから。…結局、最後は自分だもんね。


自分………か。


私はまた布団に転がって曲をかけた。ずっと暗かった部屋は、もう夜だから、もっと暗くなっていた。


落ち着く…。どうする?…もう後には引き返せない。明日の結果はなんとなく分かってる。それでも前を見ない私は、ただ現実から逃げてる…。でももう逃げられない。
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