私とあなた
告白
ー2月19日。22日にあの人は私の親友に告る。そう決めた。


決めたのは私。告るのはあなた。近いようで遠い存在。手をのばせば届くのに、手をのばせない事を知っていて、あなたは私の前を素通りする。


ねえ、どうすれば届くの?教えてよ。


次の日、また弱気なメールが届いた。
「決心がつかない。」………決心?なんで…。もう日にちだって決めたじゃん…。


こうなったらもう一度会おう。この人にもう一度だけ。会って、ちゃんと告白するように言おう。


「今から塾だから、大丈夫だったら夜8時半くらいに総体来てくれる?」


ドキドキした。もう一度会える。会えるんだ。2人で…。


あなたのせいで塾は集中できなかったよ。いつメールが来るか気になって仕方がなかった。塾が終わったあと、すぐにメールをチェックした。


「寝てたー!!8時半?了解。」 嬉しかった。


コンビニによって、応援用のグミを買って、スキップしながら総体に向かった。


このグミ、あげよ♪
頑張れって…いお!!!!

時刻は8時10分。早く着きすぎた…。けど、好きな人を待つのは楽しくて、嬉しかった。


早く来ないかな~。そう思っているうちに…33分。来ない。


「もう着いてるよ♪」と送った。


「ごめん!!明日でいい?今日本×中国だから!!」


………サッカーか…。この人は本当にサッカー少年で、どんなにケガをしようと、サッカーの練習は欠かさない人だった。


「いいよ!!そりゃ見なきゃ♪」こんなメール…。


携帯を壊したくなった。メールなんて意味がない。会いたい。会いたいの…。


「サッカーに負けちゃった…」そうつぶやいて、私はグミを握りしめたまま家に帰った。

TVをつけてサッカーを見た。TVに向かって、「あの人はあんた達を選んだんだから勝ってよね!!」
見てると、あなたと少しでも繋がってるみたいで気持ちが楽になった。


結果は、日本の勝ち。「良かった…」
そう言った瞬間、たまってた涙が一気にあふれ出た。たまってた思いが一気に出た。


明日、会えるよね?
私は毎日不安だよ。
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