私とあなた
ー9時20分。
また早く着いちゃった。昨日と同じで来なかったらどおしよ…。


不安はどんどんつのっていった。でも、いつあなたが来るかとか、どの道から来るとか。 考えるだけでドキドキするの。


これがきっと、好きってことなんだろうなあ…。バカだな、私。


どうしてこの人に恋したの?叶わない恋だって、わかってたでしょ?


どうしていつの間にかこんなにも思いがふくらんで、大好きになってたの?毎日学校で、こっち見ないかなあ~って、私が見つめるばかり、あなたは一度も私を見た事がなかったのにね…。


26分。メールがきた。メールの相手は…あなた。
なに?また私は何かに負けるの?もう…やだよ…。


「29分の電車に乗るから遅れるー!!!!」…良かった…。良かった…。来るんだ。


「了解!!待ってまーす♪」送った後、時計を見ると、29分。
今電車に乗ったんだね。でも来るでしょ?
だったら私はずっと待つよ。ずっと…ずっと…。


「サンキュー!!走ってく。ジュースおごるよ。」

ジュース…。また、私に贈り物をくれるの?ありがとう。その言葉が嬉しいよ。


「疲れるからいーよお? マジ!!じゃあよろしくー!!」そう送った後、私はすぐそこの自販機に走って、おごってもらうジュースを決めた。


もう不安は消えた。ただ、あなたを待っているこの時間が愛おしくて。

このくもり空も、あなたと見上げたらきっとキレイなんだろうな。

私はジュースを決めた後、また待ち合わせ場所に戻った。来るかな♪来るかな~♪


36分。私はふと、携帯の受信フォルダを開く。あなたとの会話を、メールした事を、全部残してあるんだよ。なんで残そうと思ったんだろう…。


多分、私は出会った時からあなたにひかれてた。恋してた…。初めてメールした日、あなたからの返信がまちどおしかった。
本当はね、ずっと前からメールしたかったの。


…その時、遠くから走ってくる足音。誰かなんてすぐわかった。
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