andante




「わたしはまた優ちゃんに会ってもいいんでしょうか?」



ふん、と鼻で笑った梨子さん。



「…いいんじゃない?」






梨子さんはそう言うと部屋を出て行った。


わたしは急いで追いかける。

  


ヒールを響かせる梨子さんの綺麗な足。




声はかけられなかった。




梨子さんは振り返らないと思ったから。













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