andante
優ちゃんは事故にあった次の日に亡くなった。
わたしを庇って、いなくなった。
梨子さんに頬を叩かれたのは本当。
理由は少し違ったけど。
ただ違うのは、わたしは梨子さんにはけして許されないということ。
「…あんな短時間でお気楽な夢だな。」
「そうだね。ピアノ、弾けなくなった優ちゃんなんて………」
それが本当なら、
優ちゃんが生きていたなら、
どんなかたちでも、良かったのに。
「…比菜、」
「ん?」