andante




昔と同じ席に向かい合わせに座って、優ちゃんはミルクティーを一口飲むと話し始めた。




「まず、出会いが子供の頃っていうのはいいよね?」


「うん。」



「それで、再会して付き合い始めた。っていうのはどう?」



「でも、再会したのは最近だし…はやすぎないかな?」



わたしは今の優ちゃんを何ひとつ知らない。



「はやくはないよ。昔から好きだったってそう思えばいい。」



ドキッとした。



優ちゃんが真面目な顔して言うから、見透かされてるみたい。



「僕が比菜ちゃんに告白して、付き合った。っていうのは?」



…それが、本当の話だったらいいのに




優ちゃんがなんか楽しそうだからムカつく。




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