andante
お店を出てからも優ちゃんはいつも通りだった。
そんなに気にすることじゃない?
でも、優ちゃんはあんな目をしない。
わたしの知ってる優ちゃんは………
「…比菜ちゃ、」
「…優ちゃん、具合悪かった?」
「…どうして?」
「…だって優ちゃ、」
「どうして比菜ちゃんが泣きそうなの?」
え、
優ちゃんはすごく悲しそうな顔をした。
泣きそう?
わたしが?
確かに、鼻の奥がツンとしていて、目頭が熱い。