その瞳で舐めあげて
座り込むと同時に私の腕を引いて

私は崩れ落ちる。



ドタッ

「…った、なにす…んっ」




唇に郁箕の人差し指が当てられる。

私は郁箕に見下ろされてる。




もう…始まってる。


パシャリ。


「ちゃんと分かってるんだね」

郁箕にスイッチが入った気がする。

ガクンと私の身体は押し倒される。



一つ一つを見逃さぬように

連写させる。

息遣いが荒い。


これも演技なんだと

俳優もこなす伊澤郁箕なんだと

尊敬してしまう。



お互い息が荒くなってく。

気付いたら郁箕に合わせてる。

郁箕の前にいる私は

ただのカメラマンでしかないけど




私は郁箕がどう見える?

翻弄されていく私は




…何なの?

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