その瞳で舐めあげて
「そんなの聞いてない…」

『あら、でもいいじゃない!

世界一周!』

「世界一周なんて面倒臭い」

あいつのことだから

何かされそうで怖いし。

『私が代わりに行きたいくらい♪』

本気で行ってきて欲しい。

「仕事上、断れないし」

断れば生活費がキツい…

『お土産宜しくね、

あとはイクミンの素顔とか!』

「ハイハイ、國枝も身体

大事にしなよ」

『分かってるってば、

じゃあね!』

「うん、バイバイ」

世界一周なんて…

家帰れないだろうし面倒だ、本当に。


私は本当に

「伊澤郁箕 写真集」の仕事を

受けて世界一周の旅に出ることになる。

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