その瞳で舐めあげて
「じゃあお邪魔しました」

「はい、また…」

立ち上がると足を引っ掛けて

雑誌を落としてしまう。


そのとき丁度開いた雑誌には

「今話題の…」

「あ!」

リヨルさんの声で顔を上げる。

「どうしたんですか?」

「ワスレモノ」


一瞬したリップ音に

リヨルさんが私の頬に

唇が触れたことに気付く。

「またね、丹音」

輝くような笑顔で部屋を出て行った。

私は放心状態。

今のは…キスですか?


リヨル宅。

「ねぇカンナ、

丹音って可愛いね。

郁箕には渡せなくなっても




いい?」


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