その瞳で舐めあげて

君の企み。

「お疲れ様」

「…立鍋さん」


「ごめんなさいね、黙ってて」

「いえ…」

「郁箕を本当に昔見覚えない?」

「ない…ですけど」

急に、何?


「そう、わかったわ。じゃあまた…」

立鍋さんは出口へ向かう。

「私と伊澤さん、何かあるんですか?」

「丹音さんが思い出さなければ

駄目よ」

何それ…

「教えて下さい」

「私の口からは教えられないわ」



「伊澤さんは知ってるんですか?」

「ちゃんと思い出してから

聞きに行くことね。送るわ」

「…はい」


やっぱり何処かで見覚えがあったんだ。


< 53 / 82 >

この作品をシェア

pagetop