その瞳で舐めあげて
「何か買ってくるけど…」

「大丈夫。揃ってる」

「でもでもほら、なんか作るよ!

私の大事な丹音が…」


「いいから、もう黙ってて」

高い声がいつにも増して高いから

耳にキンキン響く。

「お粥作ってくるよー」

汐里は台所に向かう。

私の手間を焼かせる人ばかりで

かなりここ最近ヘロヘロなんだけど。


マスクをしてベッドに入る。

年取るとキツイな、風邪。

結局今日も買い出しに行けない。

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