その瞳で舐めあげて
酔い止めの薬を飲んでいたから

酔うことはなかった。



違う意味で酔いかけたけど。

「丹音さん、いよいよね!」

「は、はぁ…」

「楽しみにしてるわよ!ね、立鍋さん」

「ええ、神山さん♪」


この2人ノリが似てるし。

「倉田さん、そろそろお願いします」

郁箕から声がかかる。

半日ぶりの郁箕。



ダメだ、ボーッとしてる。

「え、ええ時間も押してることだし

私たちはホテルへ手続きしてくるから

撮影、宜しくね?」

「はい、分かりました」


立鍋さんらが移動して行く。


真っさらに浜辺で2人きり。



「丹音…来て」

郁箕の歩く方向へと

歩みを進めた。


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