その瞳で舐めあげて
「暑…」

そう呟く郁箕はYシャツに

手を掛ける。


「丹音も…脱ぐ?」

「馬鹿言わないで」


脱いだYシャツを私に手渡して

私の腕を引いて海の中へと進む。


一枚一枚見逃さぬように

一瞬たりとも

逃げられない。



「丹音、こっち見て」


捕えられる自分が怖い。

いつの間にか理性無くしてる

自分が怖い。



私の手を取って

自分の身体に触れさせる。



“触れていたい”


…つっ!




「嫌っ!」

振りほどいてしまった。


「丹音?」


私、何考えてた?

< 69 / 82 >

この作品をシェア

pagetop