その瞳で舐めあげて

「今日は意外と素直、だね」

「いつも通りだけど」


シャッターを切りながら

ブツブツ話す。







「俺、何かした?」


もう勘付かれてる。


「別に、郁箕はいつもそうだけど」

「丹音、やっぱり変」







腰に手を回される。


くんっ




腰を引かれて



顔がぐっと近付く。



「…っ、ちょっと!」



顔を逸らすと顎を取られて。


押し返す胸板は




ピクリとも動かない。



少しでも動けば唇が触れる。


「嫌っ!」







気付けば郁箕を突き飛ばしていた。

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