その瞳で舐めあげて
「言わない」

「あーかーね!」


甘ったるく私の名前を呼ぶ。



「好きよ!

郁箕が好…っ」






ギュッと抱きしめられる。

「やっと聞けた、


丹音、好きだよ。

愛くるしいぐらいに



好き、大好き」


こっちが照れるぐらいの

好き光線。



「分かったから」

「やっと手に入ったんだから

嬉しいに決まってるでしょ?」


普段以上に甘ったるい。







ただ抱き合ったままで

沈黙が流れる。

「早く帰らないと


立鍋さんに…んっ」


私の唇は郁箕に塞がれた。


あのときしたキスとは違う。

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