美しい翼を持った飛べない天使

「で、好きな人って？

あー陰吏に知られちゃマズイ？」

「ううん、王等くんは知ってる」

「スポドリ奢らせたあいつだよ」

「え、そうなの？」

水雪がコクンと頷く。

「やー青くんも幸せだねー、

こんな可愛い子が好きになってくれて」

「あいつ結構能天気だから

何もしなきゃサッパリだけど」

「そのうえ、狙ってる子も多いしね」

「美翼ちゃんはいつも一緒に

いるけど青太郎くんと勘違いされたり

しないの？」

「こいつは俺じゃなくて陰吏だよ」

「って青くん！いつから！？」

もしや聞かれて…た？

「美翼と俺の噂らへんから」

「あれ、美翼ちゃんと王等くんは

付き合ってるの？」

「ないない、美翼には好きな人いるし」

俺は手をヒラヒラさせる。