美しい翼を持った飛べない天使
陰吏の部屋にはもう2人共

居なかった。

電話を掛けても繋がらない。


「何やってんだよ、あの2人…!」

日が落ちていく。

「青太郎くん?」

「陰吏…のお母さん」

「急に家に来て

陰吏の部屋を飛び出したと思えば

どうしたの?」

「陰吏は…何処ですか」

「陰吏?あー紫之ちゃん送りに

行ったわよ」

「そうですか、ではまた…」


「青太郎くん、陰吏を宜しくね?」

「はい、幼馴染ですから」

目の笑わない青太郎が

こんなにも怖いことは



俺はまだ知らない。

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