美しい翼を持った飛べない天使
「陰吏」

水雪を送った帰り。

俺の目の前に立つのは青太郎。

「青太郎?」

「何処行ってた?」

「いや、少し買い物…」


「嘘だ」

青太郎の目は笑っていない。

口角だけが上がっている。

「青太郎?」

「紫之と一緒に居たんだろ?」


「そ、そうだけど?」

「なんで言わなかったわけ?」

「別に関係ない」

水雪が青太郎にしっかり

伝えるまでは言うわけにはいかない。


「そんなに紫之とのデートが

楽しかった?」

「何言ってんの?」

「そのままのことを聞いてるだけ」

「デートじゃないって」


「来いよ」

俺の腕を引いて

青太郎は俺を部屋に連れ込んだ。





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