溺愛彼氏とヤンキー彼女
―――…
あの後、杏を病院に連れていった
「命に別状はないです。」
「良かった…」
填はふぅっと息をもらした
でも、その後
「ですが、精神的なショックはあるため…なんというか、誠に申し上げにくいのですが…」
「え…、それってどういう…」
填の返しに医者は困った顔をした
「お姉さんは一時的に記憶を失っていて」
まだ幼子の俺にも分かった
杏は記憶喪失だと
「そんな…」
填はカクンとうなだれた
「なにか、きっかけがあれば治る可能性はあるんですが」
「面会、できますか?」
填は少しだけ涙をながした