溺愛彼氏とヤンキー彼女











―――…




あの後、杏を病院に連れていった






「命に別状はないです。」









「良かった…」







填はふぅっと息をもらした









でも、その後






「ですが、精神的なショックはあるため…なんというか、誠に申し上げにくいのですが…」







「え…、それってどういう…」







填の返しに医者は困った顔をした








「お姉さんは一時的に記憶を失っていて」







まだ幼子の俺にも分かった






杏は記憶喪失だと







「そんな…」







填はカクンとうなだれた







「なにか、きっかけがあれば治る可能性はあるんですが」






「面会、できますか?」






填は少しだけ涙をながした








< 89 / 105 >

この作品をシェア

pagetop